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ペットボトル紅茶を飲み比べてみた(2)レモンティー&オレンジティー編

(最終更新:2021年4月17日)

5月に入り、気温が上がってきましたね。暑い日が多くなると、濃厚なミルクティーよりも、爽やかなレモンティーやオレンジティーなど、フルーツのフレーバーの紅茶に惹かれる人も少なくないと思います。

 

日本では紅茶の飲み方のひとつとしてポピュラーなレモンティーですが、実は紅茶の本場である英国ではあまり一般的ではありません。茶葉にレモンのフレーバーを付けたり、レモンなどのフルーツを加えて飲んだりすることがないわけではないものの、基本はミルクティーにするのが普通です。また、英語で「fruit tea」と言うと、フルーツの香りの紅茶だけでなく、ドライフルーツとハーブやルイボスなどをブレンドした茶葉を指す*1こともあります。

では、レモンティーは元々どこの国で生まれた飲み方なのでしょうか? これについては諸説あり、たとえば英国のヴィクトリア女王が孫娘のアレクサンドラに会いにロシア王室を訪ねた際、紅茶にレモンを入れて供されてから「ロシアンティー」と呼ぶようになったという説や、カリフォルニアの農家で紅茶にレモンを入れて飲む習慣があったという説などがあります。いずれにしろ、レモンティーは英国で生まれたわけではなさそうです。

 

……という能書きはここまでにして、前回のミルクティーの飲み比べに引き続き、今回はペットボトルのレモンティーと、同じ柑橘類ということでオレンジティーの飲み比べをしてみましょう。

 

今回のレモンティー&オレンジティー編では、こちらの6つと、

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さらに追加でこちらの商品を比べました。合計7種類です。

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前回のミルクティーに比べると、水色(すいしょく)のバリエーションが多くて見た目にも綺麗ですね(笑)。

 

今回も自分で茶葉から淹れた紅茶と味や香りが近いか?」を基準にしながら味や香りを確かめていきます。また、今回は各商品のカロリーもチェックしていきます。乳製品が入るミルクティーとは異なり、レモンティーはカロリーが高くなるとしたら、その要因は主に砂糖ということになります。つまり、逆に言えばカロリーを見れば砂糖の量をある程度推測できると考えられます。

 

キリン 午後の紅茶 レモンティー

キリン_午後の紅茶

注:このレビューは、2021年3月のリニューアルより前に販売されていた商品を対象としています。リニューアル後の商品については、こちらの記事をご覧ください。

最初はやはり定番の「午後の紅茶」から飲んでみます。

ミルクティーは味も香りもそれなりに紅茶っぽさが感じられましたが、レモンティー紅茶の香りは飲む前からわかるものの、味はほぼレモンと砂糖です。しかもレモンの酸味が弱く、ひたすら甘いだけになってしまっています。

ちなみにカロリーは、100mlあたり28kcalで、今回の7種類の中では第2位です。それだけ砂糖が多いということなので、ただひたすら甘い味なのも頷けます。

 

サントリー クラフトボス レモンティー

サントリー_クラフトボス

先にレモンティーを全部飲んでしまおうということで、次はサントリーの「クラフトボス」です。

ミルクティーと同じく、ベースの茶葉はアールグレイのようです。ただ、柑橘の香りが強くなったことで、アールグレイが苦手な人でもミルクティーより飲みやすくなっています*2。とはいえ、逆に言えば香料が強くなったということでもあり、茶葉本来の香りや味からはかえって遠ざかっているように思います。

カロリーは100mlあたり22kcalで、7種類中5位。とはいえそれなりに高カロリーですね。

 

伊藤園フードサービス セブンプレミアム レモンティー

セブンプレミアム_レモンティー

今回最後のレモンティーセブンプレミアム。パッケージに書いてあるので先に言ってしまうと、カロリーは100mlあたり28kcalで、「午後の紅茶」と並んで2位タイです。

このカロリーの多さから伺えるとおり、味はほぼレモンと砂糖。しかも香りもレモンがメインで、かすかな苦味以外は紅茶らしさがほとんど感じられません。もはや紅茶である必要があるのか?とさえ思ってしまいます。

 

キリン 午後の紅茶 ザ・マイスターズ オレンジティー

キリン_午後の紅茶ザ・マイスターズ

ここからはオレンジティーの飲み比べに移ります。まずは「午後の紅茶」から。この「ザ・マイスターズ」は今年の3月に発売されたばかりの新商品ですね。

香りはただのオレンジで、紅茶の感じはあまりありませんが、味は逆にオレンジの要素が薄れて渋みが強くなります。10%とはいえ、ダージリンを使っていることによるものでしょうか。ただ、ミルクティーのときと同じく紅茶の味は薄いです。氷が溶けたアイスティーにオレンジジュースを注いだようなボケた味がします。

ちなみにカロリーは100mlあたり9kcalで、今回飲み比べた中ではいちばん低カロリーです。まあ、微糖ですしね。

 

キリン 午後の紅茶 リフレッシュオレンジティー

キリン_午後の紅茶リフレッシュオレンジティー

午後の紅茶」のオレンジティーにはもうひとつ種類があります。今年の4月に発売されたばかりの「リフレッシュオレンジティー」です。以下の記事によると、こちらは自動販売機専用の商品だそうです。

www.nikkei.com

 

「甘酸っぱいバレンシアオレンジ果汁とミントの香りが爽やかなフルーツティー」という商品説明のとおり、香りはミントが強めでほのかにオレンジ。味は最初はミントが強めで後からオレンジが広がります。どちらにしろ、紅茶の感じはほぼゼロです。だったらなぜ紅茶を入れたんだ…………。

なお、カロリーは100mlあたり29kcal。なんと7種類の中でトップです。ミントとオレンジが爽やかなので、甘さが気にならずにゴクゴク飲めてしまいますが、糖分の摂りすぎにはご注意を。

 

コカコーラ 紅茶花伝 CRAFTEA 贅沢しぼりオレンジティー

コカコーラ_紅茶花伝クラフティー

続いては、2018年に発売された「紅茶花伝」の「CRAFTEA」という商品です。売れ行きは好調なようで、その後もピーチ、アップルと新商品が展開されています。

 

蓋を開けると、オレンジの中にほのかにハチミツの香りがします。味はよりいっそうハチミツの自己主張が強くなります。茶の味は飲んだ直後はあまり感じませんが、後味に残ります

カロリーは100mlあたり27kcalで、7種類の中では4位。といっても1位が29kcal、2位タイの2つが28kcalなので、かなり多いほうですね。

 

伊藤園 TEAs' TEA NEW AUTHENTIC 生オレンジティー

伊藤園_TEAsTEA

最後は伊藤園の「TEAs' TEA」から昨年の夏に発売された「生オレンジティー」です。商品説明によると、「生のオレンジスライスを紅茶と一緒に抽出し、皮まで丸ごと搾ったオレンジ果汁を加えた」とのこと。

香りはほとんどオレンジジュースですが、飲んでみるとオレンジの後に紅茶の味が広がります。茶葉はディンブラかニルギリあたりでしょうか。今回飲んだ中では紅茶の味が比較的しっかり感じられます。また、香料無添加で人工的な味や香りがしないのもポイントが高いです。ちなみにカロリーは、100mlあたり18kcalで第4位でした。

 

まとめ

というわけで、7種類の商品を飲み比べてみましたが、ミルクティーほど茶の味や香りが感じられる商品は少ないように思います。結局のところ、紅茶の香り自体はレモンやオレンジの風味で消えてしまうので、香料で紅茶っぽさを演出するか、紅茶の味だけでも活かせるようにするか、メーカーによってアプローチに違いがあるようです。

モンジュースやオレンジジュースとして考えればそこそこ美味しいので、これからの季節に飲むには爽やかでぴったりだと思います。とはいえ、紅茶かどうかと言われると微妙なところですが…………。

 

次回はストレートティーを飲み比べます。ミルクやフルーツを入れない分、味や香りの誤魔化しが利かないので、どんな結果になるのか楽しみです。

ストレートティー編はこちら。

teaisbalmforthesoul.hatenablog.com

 

シリーズの記事一覧はこちらです。

teaisbalmforthesoul.hatenablog.com

*1:この場合、紅茶や緑茶などは入っていないので、カフェインフリーということになります。

*2:アールグレイの香りはレモンと同じ柑橘類のベルガモットなので、当然といえば当然かもしれません。