今日3月9日、キリン「午後の紅茶」の定番商品3種がリニューアル発売されました。1月頃からニュースになっていたので、ご存じの方も多かったのではないでしょうか。
これまでこのブログでは、いろいろなペットボトル紅茶のレビューをしてきましたが、「午後の紅茶」については全体的に厳しい評価をしてきました。しかし、今回のリニューアルではキリンが「午後ティー史上最高おいしい！」とアピールしています。こんな大見得を切られた以上、ひとりの紅茶好きとして試さないわけにはいきません。
そこで今回は、新しくなった「午後の紅茶」をリニューアル前と後で飲み比べてみたいと思います。なお、味の好みは人それぞれなので、これまでと同じく「自分で茶葉から淹れた紅茶と味や香りが近いか？」を基準にしながら進めていきます。
パッケージはどう変わった？
まずは見てすぐにわかる部分ということで、パッケージの新旧比較をしてみましょう。
リニューアル前は以下の写真のとおりでしたが、
リニューアル後は次のようになりました。
新しいパッケージで目を引くのは、真ん中に描かれたガラスのティーポットと、その下にある茶葉の産地名でしょう。以下の記事によると、産地名は前回（2018年）のリニューアルの前まで（つまり2代前のパッケージで）表示されていたのと同じ産地のようです。
ただし、ストレートティーとミルクティーはそれぞれの産地の茶葉の比率が大幅に減少しています。以前はストレートティーでディンブラの比率が100％、ミルクティーでキャンディの比率が80％ありましたが、今回のリニューアルではどちらも20％とされています。減ってしまった分はどこの茶葉なのでしょうか……？*1
また、ボトル本体にはあまり大きな変化がなさそうですが、リニューアル後のパッケージには、ホログラムのような模様が薄く入っています。ボトル本体のデザインに合わせているのかもしれません。上の写真では違いがわかりにくいと思うので、ボトルを交互に並べてみます。それぞれ旧→新の順です。
香りや味はどう変わった？
ストレートティー
さて、肝心の味や香りはどう変わったのでしょうか？ まずはストレートティーを比べてみましょう。
以前の飲み比べの際にも書いたように、ストレートティーは元々人工的な香りが強かったのですが、今回のリニューアルでは香料の強さが明らかにパワーアップしており、花のようなわざとらしい香りが強くなっています。また、甘さも少し強くなり、舌の側面に甘さが長く残る感じがします。
一方、リニューアル前も後もパッケージには「心地よい渋み」と書かれていますが、渋みはあまり強くありません（以下の画像は右がリニューアル後）。
率直に言うと、今回のリニューアルで紅茶本来の味や香りからは離れてしまったように思います。
ミルクティー
次はミルクティーを比べてみましょう。ミルクティーは香りも味も紅茶らしさが感じられるのはリニューアル前と変わらないものの、特に渋みの立ち方が大きく変わったように思います。リニューアル前は口に含んだ瞬間から渋みを感じたのに対し、リニューアル後は口に含んでしばらく経ってから渋みが広がり、渋みの余韻が後まで持続します。その分甘さが少し丸くなったかもしれません。ただ、カロリーはリニューアル後の方が増えている（100mlあたり1kcalだけですが）そうです。
一方、紅茶らしい香りはリニューアル前のほうが強い気がします。
レモンティー
最後はレモンティーです。リニューアル前のレモンティーは紅茶の印象が弱く、特に味はほぼレモンと砂糖しか感じられませんでしたが、リニューアル後はレモンの香りと味が強くなったせいで、ただでさえ薄かった紅茶の存在感が完全に消えました。もはや「ちょっとほろ苦いただのレモンジュース」です。パッケージの表示上は原材料も成分も変わっていないのに、味や香りの変化は3種類の中でいちばん大きく感じました。
美味しさでいえばリニューアル後のほうが上になったのかもしれませんが、紅茶らしさでいえばリニューアル前のほうがずっとマシです。
まとめ
というわけで、定番商品3種類をリニューアル前と後で飲み比べましたが、特にストレートティーとレモンティーは残念な結果に終わりました。味の好みは人それぞれなので、今回のリニューアルで美味しくなったと感じる方はそれでよいと思いますが、ひとりの紅茶好きとして、個人的には「午後ティー史上最高おいしい！」などとは到底言えないと思います。
やっぱり紅茶は自分で淹れたり専門店で淹れたもらったりしたほうがよいよね、と再確認した飲み比べでした。
