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日東紅茶のデイリークラブをリニューアル前と後で飲み比べてみた

8月の下旬、日東紅茶の「デイリークラブ」がリニューアルされるというニュースがTwitterで流れてきました。旧称の「日東ティーバッグ」から現在の商品名に改称して、今年で30周年とのことで、その記念を兼ねたリニューアルのようです。

prtimes.jp

「デイリークラブ」は以前、「スーパーで買える黄色いパッケージの紅茶を飲み比べてみた」という記事で感想をアップしていましたが、リニューアルでどう変わったのでしょうか? 今回はその検証をしていきます。

 

まずはリニューアルの内容をニュースリリースで確認しておきましょう。先ほどのPR TIMESの記事から、新しくなったポイントを引用してみます(太字は原文ページ準拠)。

【新しくなったデイリークラブ】
① 昨今のプラスチック資材削減の動きをうけ、発売以来50余年続けてきたプラスチック容器を廃止し、全アイテム紙カートン容器となります。この変更によりプラスチック資材を年間当たり約50t削減いたします。
ティーバッグの包装を1ティーバッグずつ密封個包装に変更し、光・水分・臭いなどから茶葉の品質を守ります。
ティーバッグの金属の留め具を廃止し、電子レンジ調理にも対応できるようになります。
④ パッケージデザインを紅茶らしい味わいや温かみのあるデザインに変更します。
⑤ 主要産地である「スリランカ・インド」の茶葉を中心としたブレンドはそのままに、渋みを軽減し飲みやすくなりました。
⑥ 外装容器の変更に伴い、内容量(ティーバッグ数)・希望小売価格が変更となります。

では、実際のところどう変わったのか、リニューアル前と後の商品の実物を比べて確認してみましょう。まずはパッケージからです。なお、写真左がリニューアル前、右がリニューアル後です。以降の写真でもこのルールは統一しています。

日東紅茶デイリークラブ_パッケージ

大きな変化は箱が細長くなったことと、「Daily Club」の文字のフォントが変わったことでしょうか。パッケージの色味も変わりましたね。なお、値段はどちらも100円前後の価格でしたが、ティーバッグの個数が10個から8個に減っていました。個数の多いパッケージでも、25個入りが20個に、50個入りが40個に減っているので、実質値上げと言えるかもしれません。

次に箱を開けると、確かに個包装になっています。以前は5個まとめて1つの包装に入っており、密閉することができなかったので、茶葉の保存性に関しては大きく改善されたと言ってよいでしょう。

日東紅茶デイリークラブ_ティーバッグ包装

もっとも、競合するリプトンの「イエローラベル」やトワイニングティーバッグ商品は以前から密閉が可能*1であり、「デイリークラブ」はようやく他社の水準に追いついたとも言えます。

続いて、ティーバッグを見てみると、確かに金属の留め具がなくなっています。また、タグも「デイリークラブ」専用のデザインから日東紅茶共通のものに変わったようです。個包装になった分のコストカットでしょうか

日東紅茶デイリークラブ_ティーバッグ

ティーバッグを開いて茶葉も見てみましたが、僕には違いがよくわかりませんでした……。強いて言えば、リニューアル後のほうが細かくなったかな、というくらいです。

日東紅茶デイリークラブ_茶葉

なお、ティーバッグ1個あたりの茶葉の量は2.2gから2.0gに減っていますが、これは必ずしもコストカットというわけではなさそうです。その証拠に、食品新聞のニュースでは、次のように書かれています。

味わいは、従来通りスリランカ茶葉とインド茶葉をメーンに使用し豊かな味わいとコクを打ち出しつつ、渋味を抑えて磨きをかけた。「茶葉量が多いことが渋味につながっている」と判断し、ティーバッグでの抽出効率を考え1袋当たりの茶葉量を2.2gから2gに変更した。

こうした変更が実際の味にどんな変化をもたらしているのか、いよいよ飲み比べて確かめてみましょう。まずは抽出時間1分半、130mlの熱湯で比較します。

日東紅茶デイリークラブ_抽出液1分半

茶葉の量が少し減ったせいか、右のリニューアル後のほうが水色(すいしょく)がやや薄いように見えます。香りや味の方向性は基本的には変わらないものの、渋みが和らいで丸みを帯びた印象です。リニューアル前と比べて、誰にとっても飲みやすくなった反面、スリランカのハイグロウンらしい渋みの強さを求める人には物足りなくなったかもしれません。

続いて、ミルクティーにすることを前提に、抽出時間2分半、130mlの熱湯で淹れてみました。

日東紅茶デイリークラブ_抽出液2分半

抽出時間を1分長くしても、リニューアル前の茶葉は大して味が変わりませんでしたが、リニューアル後の茶葉では甘みが薄れ、代わりに草のような風味が強くなるように感じました。

さらに、ミルクを加えると下の写真のようになります。

日東紅茶デイリークラブ_抽出液2分半ミルクティー

写真ではわかりにくいかもしれませんが、肉眼で見ると明らかにリニューアル前のほうが濃い水色になりました。しかし、いざ飲んでみるとリニューアル後のほうがコクの強いミルクティーになっていました。以前の茶葉をミルクティーにしたときは水っぽさを感じたのですが、今回のリニューアルで多少改善されたようです。ミルクティーが好きな人にとっては朗報と言えるでしょう。

というわけで、「デイリークラブ」の新旧比較をしてみました。個人的には好みの味に近付いたので、今後は購入する機会が増えるかもしれません。これからの時季はミルクティーが美味しくなってくるので、ミルクティー用の茶葉として試してみてはいかがでしょうか?

*1:ただし、「イエローラベル」はチャック付きの大袋入りで個包装ではありません。今回の「デイリークラブ」のリニューアルで、ティーバッグの包装についてはリプトンが遅れを取ることになったとも言えそうです。