今回は日本のブランドのイングリッシュブレックファスト4種を飲んでいきます。なお、名前が長いので今回も「EB」という略称を使うことにします。
ルピシア ユニオンジャック
1つ目はこのブログではおなじみのルピシアです。以前の飲み比べでは「イングリッシュブレンド」という商品をレビューしましたが、今回はより英国らしいブレンドということで、「ユニオンジャック」にしました。
「ユニオンジャック」は2014年に発売された比較的新しいブレンドティーです。発売当時の紹介文には、
「ユニオンジャック」のベースには渋みが少なめでコクもあるケニア産の紅茶を使用。なかでも理想の水色に近い農園の茶葉を厳選。さらにセイロン紅茶をブレンドすることで、イギリスの紅茶らしい青みのある爽やかな香りも再現しています。
とあるのですが、パッケージの原産国表示には「インド、ケニア、その他」と書かれています。いつの間にかブレンドが変わったのでしょうか……?
産地の話は置いておくとして、実際に淹れてみると、確かに硬水で抽出したような、黒に近い濃い水色(すいしょく)になります。
香りには土っぽさがあり、いかにもケニアやアッサムらしい印象です。味はコクも渋みも強く、パンチのある味わいがします。ミルクティーにしてもコクが消えることはなく、飲みごたえのあるミルクティーになります。
TEAPOND イングリッシュ ブレックファストティー
次は清澄白河の紅茶専門店TEAPONDのEBです。TEAPONDは以前ジャパンティーフェスティバルに参加したときに、ネパールのミストバレー茶園の茶葉を購入しました。
teaisbalmforthesoul.hatenablog.com
こちらのEBはスリランカとアッサムのブレンドだそうで、組み合わせは前編のフォションと同じ。ただ、フォションに比べると茶葉がやや大きめで、アッサムのゴールデンチップも多めに入っています。
茶葉が大きい分、味もすっきりしているのかと思いきや、渋みもボディもしっかりとした正統派のEBです。ストレートでも悪くはありませんが、やはりこれもミルクティーにした方がより美味しくなると思います。ルピシアの「ユニオンジャック」と比べると、ミルクティーにしてもキリッとした印象です。
カレルチャペック カレルブレックファスト
続いては、カレルチャペック紅茶店から今年の2月に発売された新商品です。
【吉祥寺本店】
— カレルチャペック紅茶店 (@karelabuzzy) 2021年2月19日
新商品!カレルブレックファスト
2月16日からカレルブレックファストが新発売!
ミルクティーにも合うブレンドで毎朝に紅茶をプラス🫖
ティーバッグなので忙しい時も簡単に紅茶が楽しめます! pic.twitter.com/JF0G1v9cbM
EBに相当するカレルチャペックの商品としては、以前飲み比べた「ブリティッシュモーニング」もありましたが、現在はサイトに掲載されていないので、廃番になってしまったのかもしれません。代わって登場したこの「カレルブレックファスト」は、ルフナとディンブラのブレンドとのこと。茶葉を見てみると、いかにもスリランカ産らしい細かめのBOPです。
抽出した直後はディンブラらしい草原のような香りが目立ちますが、冷めてくるとルフナの甘い香りが立ってきます。味は渋みが強めで、いかにも典型的なスリランカらしい味です。熱湯150mlで4分抽出しましたが、ミルクティーにするにはコクが弱い印象があります。ミルクを加えるなら、茶葉を多めに使ったほうがよいかもしれません。
タリーズコーヒー ロイヤルミルクティーブレンド
最後はちょっと変わり種で、タリーズのミルクティー用のブレンドティーです。店舗のドリンクメニューの「ロイヤルミルクティー」と同じ茶葉と思われます。
茶葉の原産国はアフリカのマラウイとケニア。マラウイは日本ではあまりメジャーではない産地だと思います。上の商品紹介ページの写真からもわかるとおり、茶葉の等級はかなり細かめのCTCです。
さて、せっかく「ロイヤルミルクティーブレンド」という名前なので、今回もロイヤルミルクティーにして飲んでみましょう。パッケージの側面には、「ホットロイヤルミルクティーの作り方」として、次のような手順が紹介されています。
- 温めたカップに熱湯を100ml注ぎ、ティーバッグを1袋入れる
- ソーサーなどでフタをして、約1分待つ
- ソーサーを取り、ティーバッグをスプーンの背で数回押して、茶葉の成分をよく浸出させ、カップのフチで絞りながら取り出す
- 沸騰直前まで温めた牛乳140mlを注いで完成
スプーンでティーバッグを押すというのがビックリですが、とりあえずこのとおりに作ってみましょう。まずは手順3まで行って、ストレートティーを作ると、次の写真のようになります。
1分しか抽出していないにもかかわらず、水色が驚くほど濃いです。よく見るとおわかりいただけると思いますが、カップに茶渋が付いています。たった1回、しかもたった1分で茶渋が付くほど濃いということなのでしょう*1。味もパンチが非常に強く、もはや「渋い」というより「苦い」と形容したほうが適切かもしれません。
さて、マグカップに移し替えて、手順4のとおり温めたミルクを加えると、次のようになります。
写真ではわかりにくいかもしれませんが、ピンクがかったベージュの水色がきれいです。味は通常のロイヤルミルクティーと比べると少しあっさりしていますが、ミルクティーとしては十分リッチになります。茶葉の抽出をもう少し長めにすれば、よりいっそうロイヤルミルクティー本来の味に近づくのではないかと思います。
というわけで今回はここまで。一口に「イングリッシュブレックファスト」と言っても、やはりブランドによってアプローチが大きく異なりますね。今後もいろいろなEBを集めて、随時レビューしていきたいと思います。