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ペットボトルの緑茶飲料を飲み比べてみた

紅茶のブログをやっている身でありながら、昨年あたりから緑茶(日本茶)が気になり始め、特に新茶のシーズンになると、茶葉を買ってきて自分で淹れるようになりました。が、緑茶は紅茶と違って熱湯を使わないのが基本なので、お湯の温度調整が上手くいかず、いまいちピンとこないことが多いんですよね……。

もっと簡単に美味しい緑茶を飲む方法はないかなぁ……と思っていたら、よいものがあるじゃないですか。そう、市販の緑茶飲料です。

緑茶飲料飲み比べ

「そういえばこのブログでは紅茶飲料のレビューもやっていたよね」ということで、今回は番外編として、ペットボトルの緑茶飲料を飲んで感想を書いていきたいと思います。ただ、一口に緑茶飲料と言っても、紅茶以上に商品の種類が豊富なので、今回は主要メーカー5社の定番商品に絞ります。なお、順番は商品の発売年順です。

 

伊藤園 お~いお茶

伊藤園お~いお茶

まずは伊藤園の「お~いお茶」です。1989年発売ということで、今回飲む5種類の中でも断トツに歴史の長い商品です。

原材料は緑茶(と酸化防止剤のビタミンC)だけと非常にシンプル。「そんなの当たり前じゃないの?」と思われるかもしれませんが、実は緑茶(とビタミンC)以外の原材料を使っている商品が意外と多いのです。この潔さは以前レビューしたジャワティストレート」を思い起こさせます。

伊藤園おーいお茶原材料

蓋を開けると、釜炒り茶を思わせるような香ばしい香りがします。ほうじ茶ほど強くはありませんが、この香ばしさは他の商品にはない特徴と言えそうです。水色(すいしょく)は黄緑色で、やや明度が低め。口に含むと甘みと青みを同時に感じますカテキンの苦味や渋みも比較的しっかりしており、食事に合いそうなお茶かなと思います。

 

キリン 生茶

キリン生茶

次は2000年に発売されたキリンの「生茶」です。キリンのサイトによると、発売当時は「清涼飲料市場最大のヒット商品と言われ」たのだとか。水色は「お~いお茶」と似たような黄緑色ですが、細かく粉砕したかぶせ茶(・・・・)が含まれる分、少し濁っていますね。また、原材料の生茶葉抽出物は、商品紹介ページによると「摘んでから8時間以内に芯まで凍結し、鮮度を保った生茶葉を丸ごと絞っ」たものだそうです。

キリン生茶原材料

飲んでみると、香りは甘く深みがある一方、味は意外と甘さが控えめで、ほろ苦さも感じます。ただ、他の商品と比べて全体的に味が薄いというか、水っぽいような気もします。以前はもっと味がしっかりしていた記憶があるのですが……午後の紅茶」といい、つくづくキリンの商品開発部とは好みが合わないなぁ……

 

サントリー 伊右衛門

サントリー伊右衛門

3つ目はサントリーの「伊右衛門」。発売年は2004年です。サントリーのサイトによると、商品名は京都福寿園創始者である福井伊右衛門に由来するのだそうです。ペットボトルの底に抹茶が沈んでいるため、多少の濁りはありますが、他の商品と比べても鮮やかな緑色が目を引きます。

「着色料でも使ってるのか……?」と思いきや、原材料に着色料は含まれていませんが、ラベル裏面には「酵母粉末」という文字があります。2020年のリニューアル時にGIGAZINEが掲載した記事によると、「本来緑茶は入れてから時間が経過すると色が茶色く変化してしまうものの、酵母粉末を使うことで、淹れたての緑茶のような鮮やかな緑色を保つことに成功している」のだとか。

サントリー伊右衛門原材料

気を取り直して、開栓すると何となく海苔のような塩っぱい香りがします。「こういう香りの玉露やかぶせ茶ってあるよなぁ」と思いつつ、口に含むとやはり旨味が強めです。甘みや渋みはあまり強くはありませんが、コクがしっかりしていて飲みごたえがあります。

 

コカ・コーラ 綾鷹

コカ・コーラ綾鷹

続いては2007年に発売されたコカ・コーラの「綾鷹」です。「急須でいれたような香りと旨み」を謳っているだけあって、パッケージにも急須の絵が描かれていますね。なお、「伊右衛門」が京都福寿園の監修を受けているのに対し、「綾鷹」は上林春松(かんばやししゅんしょう)本店の協力の下、商品が開発されています。

原材料は「お~いお茶」と同じく緑茶(とビタミンC)のみ。ただし、「お~いお茶」の通常商品には抹茶が入っていませんが、「綾鷹」は抹茶も使っています。

コカコーラ綾鷹原材料

抹茶を使っているためなのか、水色は「生茶」のような濁りのある黄緑色です。一方、香りは「伊右衛門」に似た旨味系。味は甘み、旨味、苦味、渋みのバランスがよい感じがします。また、今回飲み比べた5つの中では渋みがいちばん強い気がしました。

 

アサヒ飲料 颯

アサヒ颯

最後はアサヒ飲料から今年(2023年)発売されたばかりの「(そう)」です。発売前にアサヒ飲料が出したプレスリリースによると、「日本最高位茶師十段の酢田恭行氏全面監修のもと、微発酵茶葉(萎凋(いちょう)緑茶)を一部使用し、一般的な緑茶とは異なる華やかな香り立ちを実現した新たな緑茶」だとか。ラベル下部でもその点がアピールされていますね。

水色は今回飲み比べた5つの中でも特に明るく、透き通った色をしています。香りはジャスミンティーや台湾烏龍のようなフローラル系ですが、ラベルや広告で香りの華やかさを謳っているわりに意外と大人しいうえ、どことなく作り物じみた印象があります。それもそのはず、実は他の商品と違って、この「颯」だけ香料が使われているのです。

アサヒ飲料_颯_原材料

口に含むと香料の不自然さが気になるうえ、お茶自体の味が薄いので、僕はそのまま飲み込むのを躊躇ってしまいました。喩えるなら香料の水溶液を飲んでいるような感覚でしょうか(※個人の感想です)。この香りが好きな人にはおすすめできるかもしれませんが、残念ながら僕の好みではなかったようです。

香料を使わず、萎凋緑茶の割合を増やせばよいのかもしれませんが、そうすると原価が高くなってしまうのでしょうね……。

 

まとめ

というわけで、ペットボトルの緑茶飲料を5つ飲み比べてみました。僕は緑茶に関しては紅茶ほどのこだわりがないので、一部を除いてどれもわりと美味しく飲めました。個人的に好みだったのは「お~いお茶」、次点で「綾鷹」でしょうか。どうやら緑茶にも多少の渋みを求めてしまうようです。

ただ、いくら「急須で淹れたような風味」を謳ったところで、やはり市販の緑茶飲料は自分で茶葉を使って淹れた緑茶とは別物だとも感じました。淹れたての緑茶の豊かな香りや濃厚な味わいは、茶葉を使って自分で淹れて(または誰かに淹れてもらって)こそ楽しめるもの。この美味しさを知っている身としては、紅茶だけでなく緑茶も自分で淹れて飲みたいと思ってしまいます。

とはいえ、ペットボトルや缶入りのお茶にも、手軽に飲める点や持ち運びがしやすい点などのメリットがあります。今後は市販の緑茶飲料も適宜活用しつつ、緑茶ライフを楽しんでいこうと思います。

今年もまずは掛川の新茶を飲みました。この後もいろいろ飲む予定です。