ただの紅茶好きが紅茶について色々語ったり勉強したりするブログ

ただの紅茶好きなアラサー男子が、紅茶について知っていることをお話ししたり、紅茶の本やレッスンで勉強したりするブログです。

ミルクティーに合う牛乳って結局どれなの?

11/1は紅茶の日。11月に入り、冬の足音が少しずつ近づいてくると、だんだん温かいミルクティーが恋しくなってきます。美味しいミルクティーを飲むには、アッサムやケニアなど、ミルクティーに合う茶葉を選ぶのが不可欠。しかし、もう1つ考えなければならないことがあります。それは、

 

ミルクティーに入れる牛乳って、どれにすればいいの?

 

という問題です。

 

当たり前と言えば当たり前ですが、ミルクティーの味を左右するのは茶葉だけではありません。紅茶を淹れた後、たっぷりと注ぐ牛乳もミルクティーの味に影響を与える要因のひとつです。

 

では、最高に美味しい紅茶を飲むには、どんな牛乳を使えばよいのでしょう? この謎を解くために、まずは少し情報収集をしてみました。

 

まずは、先日訪れたジャパン・ティー・フェスティバルの会場で、セイロンドロップの売り子の方からこんな話を伺いました。

 

ミルクティーに合うのは断然、低温殺菌の牛乳。 普通の牛乳を使うとマスキングが起こる。

 

マスキングが何なのかはよくわからなかったのですが、低温殺菌がおすすめだそう。ちなみに普通の牛乳は、殺菌処理の方法としては超高温殺菌に当たるのだとか。詳しくは雪印メグミルクのこちらのページに解説があります。

www.meg-snow.com

 

次に、紅茶に詳しい僕の友人に意見を聞いてみました。すると、こんな返事が。

 

飲んで美味しい牛乳なら大抵は美味しいが、やや濃いめのほうがよい。低温殺菌のノンホモがベスト。加工乳に抵抗がなければ特濃のものでもあり。

 

ノンホモ、つまりノンホモジナイズド牛乳という名前は聞いたことはありましたが、どういう製法なのかはよく知らず。調べてみると、牛乳のホモジナイズ(均質化)加工に使う機械のメーカーのブログに次のような説明がありました。

 

ノンホモジナイズとは、均質化していない物質を指します。
混じりあっているように見える物質内部に、むらがあることは珍しくありません。
特に物質を構成する分子の大きさが違うものを混ぜ合わせると、むらができやすいでしょう。
牛乳を例にとると、牛乳の成分はタンパク質や脂質、水分です。
これらの物質はそれぞれ分子の大きさが異なるため、時間がたつと牛乳の表面に脂肪分が膜をはります。
これが本来の牛乳なのです。
しかし、このままでは味にむらがでたり、加工しにくかったりします。
そこで牛乳を均質化(ホモジナイズ)することにより品質を安定させ、より多くの人においしい牛乳を提供しているのです。

(出典:三丸機械工業 公式ブログ「ノンホモジナイズとは何? デメリットはあるの?」

 

つまり低温殺菌かつノンホモが、搾乳直後の状態に最も近いということになるわけですね。そう聞くとなんだか美味しそうに見えますが、上の三丸機械工業のブログではノンホモ牛乳にあまり肯定的ではないような……。

 

そんなことを考えていたら、以前にも紹介した大阪の紅茶専門店、ロンドンティールームの公式サイトでこんな記事を見つけました。

 

「低温殺菌のものを使うと、おいしいミルクティーになる」とよく言われています。
牛乳としてそのまま飲むのであれば、低温殺菌の牛乳はおいしいでしょう。

しかし、ミルクティーにする際の牛乳としては、低温殺菌の牛乳を使用したからと言って、特別美味しく感じられることはありません。

(出典:ロンドンティールーム オンラインマガジン「低温殺菌の牛乳を使うと、ミルクティーがおいしくなるって本当?:ロンドンティールームの見解」

 

言ってることが全然違うじゃん! 困りました。これではどの牛乳にすればよいのか判断できません。かくなる上は……

 

 

 

 

 

自分で実験するしかねぇ。

 

f:id:juri_iruj_tea:20191027225325j:plain

 

というわけで、スーパーで牛乳を買ってきて、ミルクティーの飲み比べをしてみました。

 

今回使ったのは以下の3種類です。

 

  1. 雪印メグミルク牛乳(いわゆる普通の牛乳枠)

    www.meg-snow.com

  2. タカナシ乳業 コクっとミルク北海道4.0牛乳(乳脂肪分多め枠)
    ※タカナシの公式サイトを見ると、この商品の紹介ページがなくなってしまっています。代わりに同じ乳脂肪分多めの牛乳として、現在は以下の商品が紹介されています。

    www.takanashi-milk.co.jp

  3. タカナシ乳業 低温殺菌牛乳(低温殺菌枠。乳脂肪分は普通)

    www.takanashi-milk.co.jp

 

実験に使った紅茶は、ルピシアユニオンジャック。ミルクティー向きの定番ブレンドのひとつです。

www.lupicia.com

 

このユニオンジャックティーポットで淹れて、テイスティングカップに1杯ずつ注ぎ、3種類の牛乳を大さじ1ずつ入れて比較しました。そして、普通の牛乳のミルクティーはいつもどおりの味なので、それ以外の2つの牛乳について味をよく分析してみました。

 

まずはコクっとミルク北海道4.0牛乳です。乳脂肪分が多めなので当然ですが、牛乳の味が濃く感じられます。そのためコクの強いアッサムのCTCなどの茶葉に向いていると思います。今回の実験に使ったユニオンジャックケニア産のCTCの茶葉がベースなので、相性は良く感じました。また、ロイヤルミルクティーやマサラチャイのように茶葉を煮込んで作る場合に使うと、非常にリッチな仕上がりになるはずです。

一方、スリランカやニルギリのようなコクがあまり強くない茶葉では、牛乳の濃さに紅茶が負けてしまうように感じました。僕はスリランカの紅茶を飲むことが多いので、この点はちょっとマイナスです。

 

次に、低温殺菌牛乳です。牛乳の濃さの点では普通の牛乳と変わりませんが、味自体がいつもとは違いました。そして、この味は自分は苦手……。

この低温殺菌牛乳のミルクティーを飲んだときに思い出したのが、自分の幼少期です。僕は子どもの頃は牛乳が嫌いで、にもかかわらず父の実家が酪農をやっていて、帰省すると搾ったばかりで鍋で火にかけただけの牛乳を毎回飲まされました。そのときの牛乳の味を思い出してしまったのです。

先ほども触れたように、低温殺菌牛乳は普通の超高温殺菌牛乳と比べて牛乳本来の味が残っています。この牛乳本来の味には、旨味だけでなく臭みも残ってしまっているようです。そのため、低温殺菌牛乳のミルクティーを美味しいと思うかどうかは人それぞれだと思います。

 

 

……というわけで、今回の実験の結論は、

 

 

牛乳単体で飲んで、自分が美味しいと感じるものを使えばよい

 

 

ということです。

こってりした牛乳が好きな人は脂肪分が多めのものを使えばよいし、牛乳本来の味が好きな人は低温殺菌やノンホモジナイズドの牛乳を使えばよいでしょう。茶葉によって牛乳を使い分ける手もあります。

ただ、スーパーなどで売られているごく普通の牛乳で十分美味しいと感じられる僕のような人は、普通の牛乳をミルクティーに使ってもまったく問題ないと思います。また、牛乳のまろやかさはほしいけど脂っぽくなるのが嫌という方は、低脂肪牛乳を使うのもありかもしれません*1

 

ちなみに、蛇足ですが、ルピシアのグランマルシェの会場でチャイ作りの実演を見たとき、使っていたのは明治おいしい牛乳でした。

www.meijioishiigyunyu.com

 

つまり、ルピシアが使っていたのもごく普通の超高温殺菌の牛乳だったわけですね。だったら自分も普通の牛乳を使えばいいや、料理にも問題なく使えるし……。

*1:ただし無脂肪牛乳はさすがに水っぽくなりすぎるのでオススメできません。また低脂肪牛乳もそれなりには水っぽくなります。