ただの紅茶好きが紅茶について色々語ったり勉強したりするブログ

ただの紅茶好きが、紅茶について知っていることをお話ししたり、紅茶の本やレッスンで勉強したりするブログです。

きっかけは2つのダージリンだった――自己紹介に代えて

そういえば、このブログを始めて2年も経つわりに、自己紹介らしきものを一度もしたことがありませんでした。はてなのプロフィールにも、ごく簡単な紹介文しか載せていないことに今さら気づきました(汗)。

とはいえ、ここで改めて自己紹介の記事を書くというのも、それこそ今さらという気がします。そこで今回は自己紹介に代えて、僕が紅茶好きになるまでの話をしようと思います。大して面白くもありませんが、お付き合いいただければ幸いです。

 

実は僕は元々、紅茶よりコーヒーのほうが好きでした。マンデリンのような苦味やコクの強い豆が好きで、空きっ腹でもブラックコーヒーを平然と飲み続けていたほど(だから後になって胃を悪くしたのかもしれませんが……)。紅茶は飲まないことはないけれど、それこそ「ダージリンとアールグレイって何が違うの?」とでも言いかねないレベルの知識しかありませんでした。

 

そんな僕が初めて紅茶の美味しさを知ったのは、一人暮らしを始める前、友人を呼んで実家でお茶会*1をしたときのことです。友人の中に無類の紅茶好きがいて、僕の実家で淹れるのは面倒くさいということで、おすすめの紅茶をあらかじめ淹れてきてもらうことになりました。そしてその友人が持ってきてくれたのが、ルピシアのダージリンオータムナルでした。

そのオータムナルを一口飲んで、甘みの深さに衝撃を受けました。味を引き出すために少しだけ砂糖が入っていたとはいえ、これまで口にしたことのないどっしりとした甘み。僕がそれまでに飲んだ紅茶といえば、渋みやエグみが強いものばかりで、ダージリンオータムナルのように豊かな甘みのある茶葉は初めてだったのです。

 

さらに数か月後、今度はその友人に連れられて、ルピシアのグラン・マルシェに行きました。ここ数年、グラン・マルシェの東京会場は渋谷のヒカリエホールですが、当時は池袋のサンシャインシティで開催されていました。会場で色々なお茶を試飲しながら、お茶の世界の奥深さを体感していると、ダージリンファーストフラッシュの特設コーナーに着きました。そして、そこでシンジェル茶園のシングルエステート(単一茶園の茶葉)とまさしく運命的な出会いをしたのです。

元よりダージリンのファーストフラッシュは美しい黄金色と軽やかな味わいが特徴ですが、その年のシンジェルは、リンゴのような甘い香りと突き抜けるほど軽く繊細な味で、同じ年の他の茶園とは一線を画す美味しさでした。比喩でもお世辞でもなく、これまでの人生で口にしたことのない味。その後も色々な紅茶を飲んできましたが、あのときのシンジェルに並ぶものは数えるほどしかありません。

 

友人が淹れてくれたオータムナル、そしてグラン・マルシェで出会ったシンジェルのファーストフラッシュという2つのダージリンにより、僕の人生は大きく変わりました。それ以来、自分でさまざまな産地の茶葉を飲み比べ、「紅茶が美味しい」と言われるお店に足を運び、試飲会やワークショップなどのイベントに参加するようになりました。そしてとうとう2年前、これまでに身に着けた知識を皆さんと共有するため、そしてこれからも紅茶の知識を深めていくために、このブログを開設したというわけです。

あのダージリンとの出会いから、もうすぐ10年が経とうとしています。これを機に、紅茶についてちょっと新しいことを始めようと思っています。具体的にはこのリンク先をご覧いただければと思います。

 

これからも、このブログにお付き合いいただければ嬉しいです。

*1:正確に言えばTRPGのセッションなのですが、TRPGが何かを知らない人のほうが大半だと思うので、今回は割愛します。