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スリランカ紅茶の7大産地を飲み比べてみた

(最終更新:2021年6月27日)

以前こちらの記事でも説明したとおり、スリランカは世界でも有数の紅茶生産国であり、その中でもセブンカインズ(seven kinds)と呼ばれる7大産地が有名です。このセブンカインズの茶葉は、味や香りの方向性がそれぞれ大きく異なるので、飲み比べてみると非常に面白いのですが、7種類の茶葉を全部集めて一度にテイスティングするのは面倒なもの。そのため、普通は紅茶専門店ティースクールでやるものなのですが、今は新型コロナの影響で、そういったお店でテイスティングをするのもちょっと抵抗がありますよね。

そこで今回は、セブンカインズのテイスティングを、実際に自宅でやってみてしまいました

 

【目次】

 

まずは7大産地の復習

飲み比べをする前に、まずはスリランカ紅茶の7大産地の名前を確認しておきましょう。 

  • ヌワラエリヤ(Nuwara Eliya)
  • ウダプセラワ(Uda Pussellawa)
  • ディンブラ(Dimbula)
  • ウバ(Uva)
  • キャンディ(Kandy)
  • サバラガムワ(Sabaragamuwa)
  • ルフナ(Ruhuna)

以前はウダプセラワとサバラガムワを除いた5か所で「ファイブカインズ(five kinds)」と呼ばれていましたが、ウダプセラワが独立した産地として扱われるようになったほか、生産量増加に伴いルフナとサバラガムワが分離された結果、7か所ということになりました。

なお、上の並びはおおよその標高順になっており、ヌワラエリヤからウバまではハイグロウン、キャンディがミドルグロウン、サバラガムワとルフナがローグロウンに分類されます。

 

使用した茶葉 

今回の飲み比べに使用したのは、名古屋の紅茶専門店えいこく屋のサイトで販売されていた7大産地のセットです。ネコポス便での発送だったので、注文から数日ですぐに届きました。

えいこく屋_商品包装

 

中を開けると、7種類の茶葉と説明のリーフレットが入っていました。また、クリスマスの時期に注文したためか、フレーバードティーティーバッグもプレゼントで付いてきました。

えいこく屋_セイロンティー7産地飲み比べセット

 

下の写真のように、7種類を一度に淹れると、とにかく圧巻です……。

スリランカ紅茶飲み比べ

 

では、それぞれの味や香りを見ていきましょう。順番はこれまでと同じく、産地の標高順です。なお、あくまで僕の感想なので、人によって感じ方が変わる点はご了承ください。また、たとえ同じ名前でも、ブランドによって風味が大きく異なる場合がある点もご理解ください。

 

ヌワラエリヤ

ヌワラエリヤ

水色(すいしょく)は黄色がかった淡い色をしています。色だけ見れば、ペットボトルのレモンティーにも見えそうです。香りは川べりに青々と茂る草むら、あるいは竹林のような爽やかな香りがします。味は口に含んだ瞬間は軽いものの、後から渋みが広がり、緑茶のような余韻が残ります。ミルクの味とは喧嘩するので、ストレートで飲んだほうがよいでしょう。

 

ウダプセラワ

ウダプセラワ

水色はやや濃いめの赤茶色リンゴを煮詰めて焦がしたような甘い香りがします。口に含むと、まず烏龍茶のような味が広がりますが、渋みはさほど舌に残らず、すっきりしています。ミルクを加えると、コクと苦味が引き立ち、まろやかなミルクティーになります。 

 

ディンブラ

ディンブラ

焦げ茶色の抽出液から、生命力あふれる草原のような生き生きとした香りがします。味は渋み、甘み、コクがどれも程よく、王道の紅茶らしい味わいです。ミルクを入れると、軽いカフェオレのようにあっさりとしたミルクティーになります。

 

ウバ

ウバ

水色は岩肌のような明るい茶色です。香りはまずメントールの爽やかな香りが広がり、後から焼き芋のような香ばしい匂いが現れてきます。味はいかにもウバらしい舌にまとわりつく強烈な渋みがありますが、ミルクを加えるとその渋みがフルーツドロップのようなコロコロとした甘みに変わります。

 

キャンディ

キャンディ

水色はヌワラエリヤほどではないにせよ、他の産地に比べると明るめのライトブラウンです。水色の明るさとは裏腹に、ドライフルーツのようなツンとくる香りがあり、味も舌の奥や喉に残る強い渋みとコクがあります。しかし、ミルクティーにするとアップルパイのような甘みに変わり、予想以上にあっさりした味になります。

キャンディは他のブランドでも飲んだことがありますが、ここまで香りや味の変化が大きい茶葉は初めてです。
 

サバラガムワ

サバラガムワ

水色は赤土のような赤茶色です。香りはキャラメルのような甘さとほろ苦さが感じられます。味は上顎に残る渋みとスパイシーさの中から甘みが広がってきます。ミルクを加えるとその甘みが引き立ち、カフェラテのようにどっしりとしたコクが生まれます。 

 

ルフナ

ルフナ

水色はサバラガムワに似た赤茶色ですが、香りや味は大きく異なります。香りは水気を帯びた土のような、腐葉土に近い香りがあり、味は苦味と酸味が強めです。コナコーヒーに近い味かもしれません。牛乳を入れると、アーモンドミルクのような少しクセのある味わいになります。
 

というわけで、7大産地の茶葉を飲み比べてみました。こうして実際に比べてみると、スリランカ紅茶のバラエティーの豊富さに改めて驚かされます。皆さんもこの記事を参考に、バラエティー豊かなスリランカの紅茶をいろいろ楽しんでみてください。そして、実際に飲んでみた感想や、「私にはこの産地はこう感じた」というようなご意見などありましたら、ぜひコメントで教えてくださいね。

 

 

そんなけで、7大産地の飲み比べは以上で終了…………といきたいところですが、実はここで「あること」に気づいてしまいました。その「あること」とは? 続きはこちらです。

teaisbalmforthesoul.hatenablog.com