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ルピシアの福袋2024冬「松」の中身を全部飲んでみた

2024年がやって来ました。今年もこのブログはのんびりマイペースに更新していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

さて、新年最初の記事のテーマはルピシアの福袋です。ルピシアの福袋には「松」「竹」「梅」という3つの価格帯が設定されており、僕はこれまで「竹」と「梅」しか注文したことがありませんでしたが、今年は初めて「松」を予約しました。今回はその中身を紹介していきたいと思います。

とはいえ、普通に中身を載せて、販売価格の総額を見るだけでは面白みがありません。そこで、前回のアドベントカレンダーのときと同じく、この記事では中身のお茶を全部飲んでレビューしていきます

なお、ルピシアの福袋の概要については、他の皆さんがブログやSNSなどで詳しく解説されているので、このブログでは割愛します。また、いつもは冒頭のすぐ後に目次を載せていますが、今回はネタバレ防止のために、中身を見てから目次を出すことにします。

 

まずは福袋を開封

それではさっそく開封して、中のお茶を並べてみましょう。

ルピシアの福袋「松」の中身。手前に紅茶7種、奥に緑茶と烏龍茶3種ずつが並ぶ。

全部で13袋入っていました。ラインナップは以下のとおりです*1

  1. ギダパハール 2023 DJ-3(春摘みダージリン
  2. サングマ 2023 DJ-9(同上)
  3. シンブーリ 2023 DJ-104(夏摘みダージリン
  4. タルボ 2023 DJ-252(同上)
  5. カイルベッタ 2023(ニルギリ)
  6. テミ(シッキム)
  7. マハガストット クオリティー 2023(ヌワラエリヤ)
  8. 種子島新茶 松寿 2023
  9. 大隅新茶 さえみどり「春景色」2023
  10. 五ヶ瀬釜炒り新茶 特上 2023
  11. 台湾烏龍茶 早春摘み
  12. 文山包種 特級 春摘み
  13. 白桃烏龍 極品

名前を見れば何となくわかるかと思いますが、1~7.は紅茶8~10.は緑茶日本茶)、11~13.は台湾烏龍茶です。紅茶はダージリン、ニルギリ、シッキムとインドの茶葉が多めな一方、スリランカは7.しかありませんでした。また、ほとんどが非着香のお茶で、フレーバードティーは13.のみです。

価格については、通常販売のない商品もいくつか含まれるので正確にはわかりませんが、推定で合計24,000~25,000円程度です。最も額面の大きい商品は1.のギダパハール(30gで3,000円)*2、反対に最も安い商品はおそらく5.のカイルベッタ(50gで950円)ではないかと思います*3

ちなみに、「竹」と「松」のコースで選べる特典は、干支の蓋碗にしました。せっかくなので台湾烏龍茶を淹れる際に使ってみようと思います。

福袋の段ボール箱と辰年の蓋碗

 

いよいよお茶のレビュー

中身を確認したところで、いよいよお茶を飲んでいきましょう。目次も下に載せておくので、気になるお茶がある方(あるいはレビューに興味がない方)はそちらからジャンプしてください。

 

ギダパハール 2023 DJ-3

ギダパハールのパッケージ

まずはギダパハール茶園のファーストフラッシュです。なお、他の紅茶ブランドでは「ギダパール」と呼ばれることもあります。

茶葉は春摘みダージリンらしく青々としています。産毛の部分もしっかり含まれていますね。

ギダパハールの茶葉

抽出条件は、パッケージに書かれている「おいしい いれ方の目安」を参考に、茶葉2.5g、熱湯約120ml(テイスティングカップ1杯分)、抽出2分15秒としました。ただし、渋味や苦味が出すぎないよう、茶器の予熱はしていません。

ギダパハールの水色と茶殻

水色(すいしょく)はやや緑がかった黄色。口に含むとまず甘味(あまみ)やうま味を感じ、その後に蓬のような青い香りとほろ苦さが出てきます。全体的に味わいが強く、清涼感があります。和菓子に合いそうなお茶です。

 

サングマ 2023 DJ-9

サングマのパッケージ

もうひとつのダージリンファーストフラッシュはサングマ茶園でした。こちらの茶葉も青々としていますが、揉捻(じゅうねん)が強いのか、ギダパハールより細かいようです。

サングマの茶葉

淹れ方はギダパハールと同じく茶葉2.5g、熱湯約120ml、抽出2分15秒、茶器の予熱なしです。

サングマの水色と茶殻

水色はギダパハールより少しだけ透明感があるようですが、基本的には似たような色です。かすみ草やスズランを思わせる上品な香りで、多少の渋味はあるものの、全体としてはマイルドな味わい。花のような香りの余韻が長く続きます。食べ物と合わせるのではなく、単体で飲みたいお茶かと思います。

 

シンブーリ 2023 DJ-104

シンブーリのパッケージ

次はセカンドフラッシュダージリン2種を飲んでみましょう。まずはシンブーリ(またはシンブリ)茶園です。

茶葉は緑色が多少残っているとはいえ、ファーストフラッシュに比べればやはり色が濃く、褐色に近いですね。サイズはわりと大きめかと思います。

シンブーリの茶葉

淹れ方はパッケージを参考に、茶葉2.5g、熱湯約120ml、抽出3分としました。なお、ファーストフラッシュとは異なり茶器の予熱をしています(この後の紅茶でもすべて茶器を予熱しています)。

シンブーリの水色と茶殻

水色はやや明るめのダークブラウンで、花の蜜やぶどうを思わせる甘い香りがすると同時に、火入れの香ばしさも少し感じます。また、飲み込んだ後にほんのり花のような香りが残ります。火入れが強すぎるきらいはありますが、甘味と渋味のバランスのよい茶葉だと思います。

 

タルボ 2023 DJ-252

タルボのパッケージ

もうひとつのセカンドフラッシュはタルボ茶園でした。茶葉はシンブーリと比べてやや細かいように見えます。

タルボの茶葉

淹れ方はシンブーリと同じく茶葉2.5g、熱湯約120ml、抽出3分です。

タルボの水色と茶殻

水色はシンブーリと似ていますが、香りはシンブーリよりもフラワリーな印象が強めです。味は渋味が主体ではあるものの、全体的には軽やかで、不快ではありません。ただ、僕としては花のような香りが強すぎて、あまり好みではないかも……。

 

カイルベッタ 2023

カイルベッタのパッケージ

ダージリンを飲み終わったところで、他の産地に移りましょう。まずはニルギリのカイルベッタ(またはカイラベッタ)茶園です。「ウィンターフロスト」と呼ばれる特別なお茶が福袋に入っていた人もいるようですが、僕は通常タイプでした。

茶葉はダージリンと比べると細かいものの、FBOPなので一般的なニルギリよりはやや大きいですね。一部に緑色が残ってはいますが、酸化発酵は全体的に強めです。

カイルベッタの茶葉

淹れ方は茶葉2.5g、熱湯約120ml、抽出3分と、ほぼパッケージの説明書きどおりにしました。水色は明るい褐色で透明感があります。

カイルベッタの水色と茶殻

口に含むと、その直後からバラのような香りが広がります。味はニルギリらしくマイルドで、渋味は少なめです。フレーバードティーが好きな人にも受けがよさそうな紅茶だと思います。レアチーズケーキなどに合いそうですね。

 

テミ

シッキム・テミのパッケージ

続いてはインドのシッキム州にあるテミ茶園の紅茶です。ルピシアで通常販売されることはほとんどなく、これも福袋限定品ではないかと思われます。シッキムやテミ茶園を知らない方もいらっしゃると思うので、簡単に補足しておきましょう。

シッキムはダージリンに隣接した地域*4であり、そこで作られる紅茶は「ほとんどダージリン紅茶と同じ特長を有して」*5いると言われます。ただ、僕の私見では、ダージリンよりも個性的でユニークな紅茶が多いという印象があります。なお、テミ茶園はシッキム唯一の茶園であると同時に、インドで唯一の官営茶園なのだそうです。

補足はここまでにして、茶葉を見てみましょう。ところどころシルバーチップも見えますが、全体としては酸化発酵が進んでいるようです。おそらく夏摘みではないかと思います。

シッキム・テミの茶葉

淹れ方はカイルベッタと同じく茶葉2.5g、熱湯約120ml、抽出3分としました。水色はややくすんだ褐色といったところ。

シッキム・テミの水色と茶殻

一口飲むと、スパイシーな香りと強烈な旨味が襲ってきます。喩えとしては微妙かもしれませんが、僕は小魚の甘露煮に似ていると思いました。インパクトは非常に強い一方、好んで飲みたいお茶かと言われると……。

 

マハガストット クオリティー 2023

マハガストットのパッケージ

気を取り直して、紅茶の最後はヌワラエリヤのマハガストット(またはマハガストッテ)茶園です。「茶園」と言っても、厳密に言えばペドロ(Pedro)という大きな茶園のセリングマーク(ブランドのようなもの)のひとつとなっています*6

茶葉はスリランカによくあるBOPタイプです。ここまでの茶葉と比べると、かなり細かいですね。

マハガストットの茶葉

抽出条件はルピシア推奨の淹れ方を踏まえ、茶葉2.5g、熱湯約120ml、抽出2分としました。水色はオレンジに近くなります。

マハガストットの水色と茶殻

口に含むと、青りんごを思わせる爽やかな甘みの中に、どことなくスパイシーさを感じます。抽出を少し短めにしたからかもしれませんが、渋みは少なめでフルーティーな味わいです。

 

種子島新茶 松寿 2023

種子島新茶松寿のパッケージ

紅茶を全部飲んだところで、次は緑茶(日本茶)に移りましょう。まずは松寿という品種のお茶です。パッケージに書いてあるとおり、バニラを思わせるミルキーな香りが特徴の品種だと聞いたことはありますが、飲むのは今回が初めてです。

まずは茶葉を見てみましょう。日本茶によくある細く撚られた形で、濃い緑色をしています。

種子島新茶松寿の茶葉

淹れ方はパッケージに従って、茶葉は10g、お湯は85~90℃で300ml、抽出時間は1分15秒とします。ただ、僕が持っているデロンギの電気ケトルではこの温度帯を狙ってお湯を沸かすことができないので、95℃のお湯を用意し、予熱なしの茶器に注ぎます。

種子島新茶松寿の水色

水色は少し濁りがあります。口に含むと、生クリームのような甘い香りとしっかりした渋味を感じ、後味にうま味が残ります。味の輪郭がはっきりしており、華やかな印象ではある反面、冷めても味や香りがあまり変わらず、単調さも感じます。たくさん淹れてゴクゴク飲むのではなく、たとえば食事の後に少量をデザートの代わりとして飲むのがよさそうです。あるいは、あえて熱湯を使って渋めに淹れて、クッキーなどの焼き菓子と合わせるのもありかもしれません。

 

大隅新茶 さえみどり「春景色」2023

大隅新茶さえみどり春景色のパッケージ

次は「さえみどり」という品種を使ったルピシアのオリジナルブレンドです。毎年、新茶の時期になると販売されています。

茶葉を見てみると、ひとつ前の松寿よりもさらに細かくなっています。揉捻がかなりきついようですね。

大隅新茶さえみどり春景色の茶葉

淹れ方は茶葉9g、80℃のお湯300ml、抽出1分15秒としました。これもパッケージどおりです。なお、80℃はデロンギのケトルで狙える*7ので、茶器は予熱しています。

大隅新茶さえみどり春景色の水色

水色は「さえみどり」らしく鮮やかな緑色。一口飲むと、栗を思わせる濃厚な甘味とうま味、そして爽やかな香りを感じます。松寿と違って飲み疲れしにくそうなので、普段飲みのお茶に向いている気がします。ただ、緑茶のうま味が苦手な僕の好みではありませんでしたが……。あえて熱湯で淹れて渋味を出したうえで、チョコレートと合わせて飲もうかなと思います。

 

五ヶ瀬釜炒り新茶 特上 2023

五ヶ瀬釜炒り新茶特上のパッケージ

緑茶のラストは宮崎県の釜炒り茶です。日本の緑茶は蒸して殺青(さっせい)*8をしている茶葉がほとんどなので、釜炒りの日本茶はわりと珍しいと思います。

袋を開けると、花のような甘い香りがします。ルピシアのサイトによると、このお茶は台湾烏龍茶のような萎凋(いちょう)*9の工程を取り入れて作られているそうなので、烏龍茶に通じる香りがあるのも納得です。また、茶葉を見てみると、ここまでの2つとは異なり、生葉の形が比較的残っています。ほとんど揉捻はされていないようです。

五ヶ瀬釜炒り新茶特上の茶葉

淹れ方はパッケージの説明書きを参考に、茶葉10g、熱湯300mlとしました。ただ、他の緑茶と違って煎が利くようなので、まずは45秒抽出で様子を見ます。

五ヶ瀬釜炒り新茶特上の水色

水色は透明感のある緑色。釜炒りのせいか、少し黄みがかっているようにも見えます。口に含むと、花のような強烈な香りと甘味を感じます。まるで天然のジャスミンのようです。また、後味にほんのり渋味もありますが、松寿ほど強くはありません。

続いて2煎目は抽出時間を20秒にしました。1煎目より香りが落ち着き、渋味も抑えられたことで、シャインマスカットのような甘味が際立っています。煎が利くというのは本当のようですね。時間をかけてじっくり飲みたいお茶です。

 

台湾烏龍茶 早春摘み

台湾烏龍茶早春摘みのパッケージ

緑茶も飲み終えたところで、残るは台湾烏龍茶3種です。まずは昨年の春先に発売されたブレンドから飲んでみます。パッケージには特に書かれていませんが、記憶が正しければ、南投(なんとう)名間(みんじぇん)郷産の四季春*10という品種が中心だったと思います*11

茶葉は台湾の烏龍茶によくある丸まった形です。全体としては深い緑色をしていますが、色の濃淡の差があります。サイズにもバラつきがあるので、もしかしたら手摘みではなく機械で摘んでいるのかもしれません。

台湾烏龍茶早春摘みの茶葉

淹れ方は茶葉6g、熱湯約140ml(干支の蓋碗の実容量)で1煎目は45秒、2煎目は20秒としました。おおむねパッケージの説明書きのとおりです。なお、下の写真は1煎目です。

台湾烏龍茶早春摘みの水色と茶殻

口に含んだ瞬間に、花のような香りが口の中に広がり、その後にミルキーな香りも現れます。味に関しては、多少の甘味はあるものの、基本的には淡く透明感がある一方、余韻はあまり強くありません。しかも、2煎目になると香りも味も早々に落ちてしまいます。パッケージに書いてあるとおり、持って4~5煎といったところでしょうか。

 

文山包種 特級 春摘み

文山包種特級春摘みのパッケージ

烏龍茶2つ目は文山包種です。台北近郊で作られているお茶の一種であり、台湾の烏龍茶の中でも酸化発酵が極めて浅いという特徴があります。

先ほどの早春摘みとは異なり、茶葉は丸まっておらず、細くよじれた形をしています。色は青々としており、サイズも大振りです。見るからに上質そうですね。

文山包種特級春摘みの茶葉

パッケージに書いてある淹れ方の目安は、茶葉5g、熱湯150mlで45秒~1分抽出とのことですが、茶葉とお湯の量はともかく、抽出時間は少し長すぎるような……。丸まっているタイプの茶葉ではないので、あまり長く抽出しないほうがよさそうな気がします。そこで今回は1煎目を30秒、2煎目以降を20秒としました(下の写真は1煎目)。

文山包種特級春摘みの水色と茶殻

一口飲むと、桃のような甘い香りが広がり、飲み込んだ後も香りの余韻が続きます。甘味と透明感があるのは先ほどのブレンドと同じですが、こちらはさらにしっかりした味わいもあります。2煎目になっても香りは衰えず、3煎目で少し落ち着きますが、口に含んで少し経つと茶液の中から香りが出てきます。これは5~6煎は余裕でいけますね。やはり1煎目の抽出時間を30秒にしたのは正解でした。

 

白桃烏龍 極品

白桃烏龍極品のパッケージ

福袋最後のお茶は、定番商品の「白桃烏龍 極品」でした。今回唯一のフレーバードティーでもあります。

ルピシアの特設サイトによると、ベースの茶葉には文山包種を使っているとのことですが、先ほどの特級の茶葉と比べると、色や形がまちまちです。また、茶葉の中にバラの花びらが見えます。

白桃烏龍極品の茶葉

淹れ方の目安は茶葉2.5~3g、熱湯150mlで抽出1.5~2分とのことですが、試しに2分で淹れてみたところ、ちょっと物足りなかったので、3分でリトライします。

白桃烏龍極品の水色

白桃の香りとお茶の甘味が相まって、桃のジュースを飲んでいるような気分になります。ただ、先ほど引用した特設サイトには「果汁のしたたる柔らかな果肉にかぶりついたかのよう」とありますが、正直そこまでではないような……。特級の文山包種のほうが桃のような香りが強く出ています。

……と、ここでふと思い立ちました。「ベースの茶葉が文山包種なんだから、中国茶式で淹れればよくない?」というわけで、蓋碗を使って茶葉4g、熱湯110ml、抽出30秒でもう一度淹れてみます。

蓋碗で淹れた白桃烏龍極品の水色と茶殻

……はい、明らかにこちらのほうが美味しいです(笑)。濃密な桃の香りに茶葉の甘味が重なり、もぎたての白桃にかぶりついたような感覚になります。また、白桃の香りは1煎目でほとんど出てしまいますが、この淹れ方なら2煎目も普通の烏龍茶として飲むことができます。

 

「松」の福袋に向いているのはどんな人?

中身のお茶をすべて飲んだところで、「松」の福袋がどんな人に向いているのかを考えてみましょう。

「松」の福袋の最も大きな特徴として挙げられるのは、期間限定のお茶が多いということです。価格の安い「竹」や「梅」は安価な定番商品が中心になります*12が、「松」は値段の安いお茶があまり入らないので、必然的に定番以外の商品が多くなります。そのため、ルピシアのお茶をあまり飲んだことのない人がお試しのつもりで「松」を買うのはおすすめできません。

また、定番商品は比較的万人受けしやすいお茶が多いのに対し、期間限定商品は個性的なお茶が多く、人によって好みが分かれやすい傾向にあります。したがって、「松」の福袋は中身のお茶がどれも自分の好みに合う可能性もあれば、その反対にハズレだらけになる可能性もあり、ハイリスクハイリターンと言えるでしょう。

さらに、「竹」や「梅」の福袋には複数のコースが用意されており、自分の好みに応じてお茶の種類をある程度選べるようになっています*13が、「松」はコースが1つしかなく、紅茶も緑茶も烏龍茶も入っています。しかも、今回の「白桃烏龍 極品」のようなフレーバードティーが一部含まれる場合もあります。そのため、お茶の好みが偏っている人は中身を持て余してしまう恐れがあります。

以上を踏まえると、「松」の福袋に向いているのは、

  • ルピシアの商品をある程度飲んだことがある人
  • おおむねどんなお茶でも美味しく飲める人
  • いろいろな種類のお茶の淹れ方について一定の知識がある人

ではないかと思います。

 

というわけで、ルピシアの福袋「松」の中身を全部飲んでみました。自分の中の感想としては、可もなく不可もなしといったところでしょうか。あまり好みでないお茶が複数入っていた一方、「マハガストット クオリティー」「五ヶ瀬釜炒り新茶 特上」「文山包種 特級 春摘み」とかなり好みの茶葉もいくつかあったので、総合的にはまずまずですね。これからしばらくは福袋のお茶を中心にしながら日々のティータイムを楽しみたいと思います。

そして、気がついたら8,200文字を突破していました……(汗)。これまでの最長記録(下記リンク)が約7,600文字だったので、新年早々記録更新です(笑)。

teaisbalmforthesoul.hatenablog.com

*1:なお、福袋なので当然ですが、中身は人によって(というか箱によって)異なります。

*2:ただし、1gあたりの価格が最も高いのは、12.の「文山包種 特級 春摘み」(20gで2,200円)です。

*3:こちらは1gあたりの価格に換算してもカイルベッタが最も安くなります。

*4:元々シッキムは独立した王国であり、ダージリン地方を領土の一部としていましたが、19世紀前半にダージリンを英国に割譲させられました。さらに、1975年にインドの州として編入されたことで、シッキム王国は消滅してしまいました。

*5:日本紅茶協会(編、2013)『紅茶の大事典』p.113より引用。

*6:愛知県尾張旭市紅茶専門店ティーズリンアンのサイトによると、元々はペドロ、マハガストット、ラバーズリープ、オリファントという4つの茶園が別個に存在していたのですが、茶園経営の効率化のために「ペドロ」の名前で統合され、現在に至るそうです。

*7:狙える温度が100℃、95℃と来て、次は80℃まで飛ぶんですよね……。その間の設定も欲しいのですが……。

*8:茶葉を加熱して酸化酵素の働きを止めることを指します。

*9:茶葉を日光や熱風に晒すなどして萎れさせ、酸化発酵を間接的に促すことを指します。

*10:日本では「しきしゅん」または「しきはる」と読まれることが多いです。

*11:ルピシアには「名間四季春」という定番商品がありますが、要はその2023年早春バージョンということですね。

*12:特に「梅」はほぼ定番商品しか入っていません。一方、「竹」は期間限定の商品もいくつか入っています。

*13:たとえば、紅茶だけにするのか、烏龍茶や緑茶も含めるか、フレーバードティーはなしにするか、あるいは逆にフレーバードティーだけにするか、デカフェやカフェインフリーのお茶にするか、リーフティーティーバッグのどちらにするかなどを指定できます。