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カレルチャペックのペットボトル紅茶3種を飲んでみた

久しぶりのペットボトル紅茶のレビュー記事です。

前回の記事を投稿した後も、メーカー各社からは新製品やリニューアル商品がいくつも出ていましたが、「どうせ自分の口には合わないだろうしなぁ……」と敬遠していました。しかし、先月(2024年4月)下旬、カレルチャペック紅茶店からペットボトルの紅茶飲料が発売されたと聞き、「これは一度飲まざるを得ない」と思ったわけです。

そんなわけで今回は、カレルチャペックのペットボトル紅茶全3種をレビューします。なお、レビューにあたっては、各商品の元になったティーバッグ紅茶を淹れて、味を比較したいと思います。上に引用したポストにもあるとおり、果たして本当に「おいしさそのまま感動再現」なのでしょうか?

カレルチャペックのペットボトル紅茶3種を横に並べました。左からホワイトピーチティー、アップルティー、アールグレイティーの順です。

 

ペットボトル紅茶のレビューをしばらくしていなかった理由

その前に、僕がしばらくペットボトル紅茶のレビューを避けていた理由をお話しできればと思います。いちおう本題のレビューとも関係がある内容です。

端的に理由を言ってしまうと、紅茶飲料に使われている香料が苦手だということに気づいたからです。市販の紅茶飲料の大部分は、たとえフレーバードティーでなかったとしても原材料に香料が使われています。この香料が舌や鼻にまとわりつくせいで、紅茶飲料を口に含むと何とも言えない不快感を覚えるのです(※あくまで僕個人の感想です)。特にキリンやサントリーなど大手メーカーの商品は香料がきつく、不快感も強くなるので、たとえ新商品であっても飲む気が起きませんでした。

ではどうして今回カレルチャペックの新商品を飲むことにしたかと言えば、

  1. 新商品がすべてフレーバードティーだった
  2. 曲がりなりにもカレルチャペックは紅茶専門店である

という2点が主な理由です。フレーバードティーはペットボトル飲料であろうとなかろうと香料を使うのが当たり前なので、着香がない(という名目)の紅茶飲料と比べて香料が相対的に気にならないのではないかと予想しました。また、カレルチャペックはいちおう紅茶専門店なので、紅茶飲料としての一定の品質は確保されているのではないかという期待もあります。

 

いよいよ本題のレビュー

前置きはここまでにして、いよいよ本題のレビューに入りましょう。なお、各商品は常温の状態で飲んでいるので、冷やすと印象が変わる可能性がある点はお含みおきください。また、飲み比べるティーバッグ紅茶の抽出条件は、各商品のパッケージの説明書きに従うことにします。詳しい条件は以下のレビューでご確認ください。

ホワイトピーチティー

ホワイトピーチティーのペットボトルが右奥にあり、左手前には紅茶を注いだ茶杯があります。

まずは元々ティーバッグの商品としても人気の高い「ホワイトピーチティー」です。

口に含むと、なぜか麦茶のような香ばしさを一瞬だけ感じますが、その後にルフナのどっしりとした渋味と白桃の香りが立ってきます。商品名のとおり白桃のフレーバーも十分に感じられますが、フレーバードティーにありがちな強烈な香りではないので、どちらかと言うとルフナの印象が強めです。

ティーバッグで淹れた紅茶(熱湯200mlで3分抽出)と比べると、渋味やエグみはペットボトルのほうがやや控えめで、逆に桃の香りはペットボトルのほうがわかりやすくなっています。とはいえ、大まかな香りや味の傾向はよく似ているように感じます。完全とはいかないまでも、再現度はかなり高いと思います。

ただ、これは以前ティーバッグで飲んだときにも感じたのですが、そもそもベースのルフナと白桃の香りの相性があまり良くない気がします。せっかくの瑞々しい白桃の香りがルフナのパンチの強さに圧されているんですよね……。個人的にはベースの茶葉を他の産地(同じスリランカであればディンブラやヌワラエリヤなど)に変えたほうがよいんじゃないかなぁ……と思います。

 

アップルティー

アップルティーのペットボトルが右奥にあり、左手前には紅茶を注いだ茶杯があります。

気を取り直して、次は「アップルティー」です。水色(すいしょく)を見てみると、先ほどの「ホワイトピーチティー」と比べて淡くなっています。この色の違いからも推測できるとおり、紅茶自体の味はマイルドで、ルフナの渋味やエグみが苦手な人でも飲めやすいと思います。一方、りんごの香りは口に含んだ瞬間から強く感じられます。熟した赤いりんごと言うよりも、青りんごに近い爽やかな香りのような気がします。

これに対し、ティーバッグの「ワンダーアップル」(熱湯200mlで3分抽出)は熟した赤いりんごの香りに近いように感じられます。味に関しては、渋味が控えめでマイルドなところはペットボトルの「アップルティー」と似ていますが、こちらはベースの茶葉がルフナではなくディンブラなので、ディンブラによくある草のような香りも多少感じます。特に冷めてくるとりんごの香りが落ち着く分、草っぽさが強くなります。この点を踏まえると、「ホワイトピーチティー」よりは再現度が低いかなと思います(まあ、そもそも「アップルティー」と「ワンダーアップル」で銘柄の名前が違うのですが……)。

 

アールグレイティー

アールグレイティーのペットボトルが右奥にあり、左手前には紅茶を注いだ茶杯があります。

最後はフレーバードティーの定番であるアールグレイです。水色の濃さは前2つの中間あたりのように見えます。口に含んだ瞬間からスパイシーなベルガモットの香りがはっきりと感じられ、それが飲み込むまで持続します。味に関しては、「ホワイトピーチティー」ほどではないにせよ、渋味が比較的しっかりしています。ベースの茶葉とアールグレイの香りの相性は悪くなさそうです。

なお、ティーバッグで淹れた紅茶(熱湯200mlで4分抽出)はルフナのエグみがきつくなるうえ、ベルガモットの香りがあまり上品ではないように感じます。個人的にはティーバッグで飲むよりペットボトル紅茶のほうが好きかもしれません。

 

飲み比べた後の雑感

というわけで、カレルチャペックのペットボトル紅茶全3種を飲んでみましたが、「おいしさそのまま感動再現」と言えるかどうかはともかく、紅茶飲料としては悪くないと思います。特に「ホワイトピーチティー」と「アールグレイティー」は(このフレーバーが好きであれば)普段ペットボトル紅茶を飲まない人でもそれなりに満足できる気がします。一方、「アップルティー」は渋味が控えめで味がマイルドなので、普段からペットボトルの紅茶をよく飲む人におすすめです。

なお、価格はどれも1本350mlあたり税込195円です。大手メーカーの商品と比べるとやや高額ではありますが、ペットボトルごと冷やしておくだけで比較的ちゃんとしたアイスティーを手軽に楽しめると思えば、妥当な価格設定ではないでしょうか。これからの季節はアイスティーが飲みたくなるので、夏場に向けて何本かストックしておくのもよいかもしれません。