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イングリッシュブレックファストを飲み比べてみた(1)後編

(最終更新:2023年10月24日)

 

前回に引き続き、イングリッシュブレックファストの飲み比べをしていきます。今回は残りの4種類を一気に飲んでいきましょう。

前回の記事をまだ読んでいない方は、以下のリンクからご覧ください。また、名前が長いので今回も「EB」という略称を使うことにします。

teaisbalmforthesoul.hatenablog.com

 

ルピシア イングリッシュブレンド

後半戦の1つ目は、このブログでもすっかりお馴染みのルピシアです。

実はルピシアには「イングリッシュブレックファスト」という名前のブレンドはありませんルピシアのオリジナルブレンドの中で、英国を意識したものとしてはイングリッシュブレンドユニオンジャックが、また朝にぴったりの紅茶としてはグッドモーニングがあります。今回はその中でも、一般的なEBに近いものを店員さんに確認し、イングリッシュブレンドを選びました。

www.lupicia.com

おすすめの抽出時間は2~3分。スリランカとアッサムのブレンドで、商品説明のとおり、ゴールデンチップも含まれています。

ルピシア_イングリッシュブレンド_茶葉

水色(すいしょく)は前半の3つに比べてやや明るめ。香りはトワイニングゴールデンチップドほどの強さはないものの、どことなくスモーキーな感じがします。

ルピシア_イングリッシュブレンド_水色

味は渋みが少なくまろやかな口当たり。どことなくフルーティーな風味も感じます。ミルクを入れると、フルーティーさがさらに際立ちます。美味しいことは美味しいのですが、個人的にはちょっと物足りないかも……。

 

カレルチャペック ブリティッシュモーニング

次のカレルチャペックにも「イングリッシュブレックファスト」という名前の茶葉はありませんが、代わりに「ブリティッシュモーニング」という商品があります。昨年からパディントンベアとコラボしたパッケージになっており、思わず目が惹かれます。

カレルチャペック_ブリティッシュモーニング

裏を見ると、カレルチャペックの他の紅茶と同じく、茶葉の説明がぎっしりと書かれています(日本語の文法的に若干怪しいところもありますが……)。おすすめの抽出時間は、ミルクティーの場合は5分。ここまでの茶葉と比べるとかなり長めです。

カレルチャペック_ブリティッシュモーニング_パッケージ裏面

茶葉を見てみると、色の濃い細かめの茶葉の中に、色の薄い大きめの茶葉が混じっているのがわかります。茶葉の説明から考えるに、前者がルフナのBOP、後者がダージリンのFBOPのようです。

カレルチャペック_ブリティッシュモーニング_茶葉

ルフナのBOPがベースのためか、水色は茶色が濃く出ています。香りは甘く香ばしいルフナの土っぽさの中からダージリンセカンドフラッシュが突き抜けてきます。どちらも個性の強い香りで、お互いを打ち消し合うことなく、むしろ自己主張し合っています。

カレルチャペック_ブリティッシュモーニング_水色

味も自己主張が強く、コク、渋み、エグみがどれも強めです。甘みもそれなりにありますが、他の要素に負けます。ミルクティーにすると、エグみは幾分抑えられますが、元の味がかなり残り、むしろ牛乳の味が紅茶に押され気味。ミルクティーにするなら、乳脂肪分が多めのものにするのもありかもしれません。

 

カメリアズティーハウス イングリッシュブレックファスト

次のカメリアズティーハウスは、英国ロンドンを拠点とする紅茶ブランドで、本店はなんと大英博物館の目の前にあります。英国の高級食品小売業組合が主催するGreat Taste Awardsというコンテストで何度も受賞経験があるほか、駐日英国大使館でも採用されているそうです。

日本での販売は、札幌にあるライジングエイジアという会社が総代理店として手がけています。公式のオンラインストアで販売しているほか、百貨店の英国展などの催事にも出店しています。

www.camelliasteajapan.com

今回はオンラインストアで小袋入りの18gを購入しました。他にも袋入りやティーバッグで重さや数量が異なるさまざまなパッケージが用意されているので、自分の都合に合わせて量を調整できます。ただ、茶葉が外から丸見えになっているのは気になりますが……。

カメリアズティーハウス_イングリッシュブレックファスト

オンラインストアの説明によると、「有機農法で栽培されたお茶で、あらゆるスパイスの風味を併せ持つアッサムと、奥深い味わいのスマトラブレンド」しているそうで*1、おすすめの抽出時間は2~3分です。

カメリアズティーハウス_イングリッシュブレックファスト_裏面

茶葉にはアッサムのゴールデンチップも混ざっています。

カメリアズティーハウス_イングリッシュブレックファスト_茶葉

水色はルピシアのイングリッシュブレンドと同じくやや明るめ。焚き火のような、落ち葉のような、力強い香りがします。

カメリアズティーハウス_イングリッシュブレックファスト_水色

味は渋みとコクのバランスがよく、またエグみがないのでゴクゴク飲めます。ミルクを入れると、コクや香りが残りつつ、紅茶の味がしっかり感じられるミルクティーになります

 

スターバックスコーヒー イングリッシュブレックファスト

前半の記事でも少し触れましたが、スタバにはイングリッシュ ブレックファスト ティー ラテというドリンクがあります。カスタマイズでオールミルクにして、ホワイトモカシロップに変更すると、ロイヤルミルクティーのような味になるそうです。

実はこのティーラテで使われているティーバッグは、スタバの店舗やオンラインストアで購入することができます

menu.starbucks.co.jp

物は試しということで、オンラインストアで取り寄せてみました。余談ですが、スタバのオンラインストアを使うのはこれが初めてです。コーヒーショップのオンラインストアで最初に買ったものが紅茶って……(笑)。

スターバックス_イングリッシュブレックファスト

オンラインストアの説明にもあるとおり、茶葉の産地はインドとスリランカがメインだそうです。パッケージに書いてある「その他」は中国の茶葉に当たるのでしょう。また、茶葉の加工やブレンドも中国で行われているようです。

スターバックス_イングリッシュブレックファスト_パッケージ

スタバで紅茶を買う人もそうそういないと思うので、少し多めに写真を載せておきます。箱を開けると、このようにティーバッグが個包装で入っています。

スターバックス_イングリッシュブレックファスト_包装

茶葉は思っていたより大きめ。CTCも入っていません。

スターバックス_イングリッシュブレックファスト_茶葉

パッケージによると、おすすめの抽出条件は96℃で5分、お湯の量は236mlがベストとのこと。指定が細かいですね(笑)。96℃は沸かしたての熱湯を使えば自然とそれくらいの温度になるので問題ありません。

水色はかなり濃いめですが、香りは強い個性がなく、花のような穏やかな香りがします。

スターバックス_イングリッシュブレックファスト_水色

しかし、いざ口に含んでみると、強烈な渋みと苦味にビックリします。エグくはないのでゴクゴク飲めてはしまいますが、後味でも強い渋みが残ります。渋みの強い産地を集めてブレンドしたのでしょうか……?

また、ミルクを入れるとこの強烈な渋みがかなり和らぎます。香りの良さとマッチして芳醇でフルーティーになりますが、茶の味自体は存在感が薄くなります。他のEBとは毛色が違う独特なミルクティーです。香りはよいのですが、美味しいかと言われると個人的には微妙なところ……。

 

というわけで、2回にわたってイングリッシュブレックファストの飲み比べをしてきました。今回飲んだ7種類だけでなく、イングリッシュブレックファストはメーカーやブランドの数だけ存在すると言っても過言ではないので、今回ご紹介したもの以外に「ここのイングリッシュブレックファストも美味しかったよ!」というのがあれば、ぜひ教えていただけると嬉しいです。

*1:ただし、カメリアズティーハウスの本国版サイトでは、インドとスリランカブレンドと紹介されています。インドはアッサムだとしても、スマトラは当然スリランカではないので、どちらか正しいのか定かではありません。