(最終更新:2023年10月21日)
恒例のイングリッシュブレックファストの飲み比べ、今回は国内ブランドと英国のブランドを2種類ずつ飲んでみました。
ムジカティー 堂島ブレックファスト
トップバッターは兵庫・芦屋の紅茶専門店ムジカティー。今年で創業70周年を迎えた老舗中の老舗です。今回レビューする「堂島ブレックファスト」の名のとおり、以前は大阪の堂島で営業していたそうですが、2013年に現在の芦屋に移転しました。
茶葉はアッサムのBOPが主体のブレンド。今回飲み比べた中では比較的大きめの茶葉で、黒々としています。
水色(すいしょく)は暗い褐色で、大学芋のような甘い匂いと若干のモルティフレーバーを感じます。
味はコクと苦味が強く、渋みもそれなりにありますが、口当たりがマイルドなのでストレートでも飲みやすいと思います。もちろん濃く抽出してミルクティーにするのもありです。コクと甘みがしっかりしていて、飲みごたえがあります。秋冬の季節に飲みたくなるミルクティーです。
ロンドンティールーム ロンドンブレックファースト
次は大阪・堂島のロンドンティールームです。ムジカティーほどではありませんが、来年(2023年)創業40周年を迎えるそうで、こちらもかなり歴史の長いお店です。ロンドンティールームにはミルクティー向けのブレンドがたくさんあるのですが、今回は店名と同じ「ロンドン」の名前が付いた「ロンドンブレックファースト」にしました。
ムジカの「堂島ブレックファスト」がアッサムメインのブレンドだったのに対し、こちらはスリランカのディンブラにディコヤの茶葉がブレンドされています。いかにもスリランカのBOPらしく、茶葉のサイズは小さめ。色はダークブラウンです。
水色は明るめの褐色になりました。今回の4種類の中では、水色がいちばん明るいと思います。香りは土や草を思わせる印象で、ディンブラの特徴が強く出ています。
味は渋み、甘み、コクがどれもしっかりしており、やはりディンブラの印象が強いブレンドになっているようです。ミルクティーにしてもよいと思いますが、僕はなぜか酸味を強く感じました。個人的にはストレートのほうが好みです。
ウィッタード イングリッシュブレックファスト
続いては、ウィッタード(Whittard of Chelsea)という英国のブランドです。本国の公式サイトによると、1886年にウォルター・ウィッタード(Walter Whittard)という人物が創業したそうで、今回の4種の中では最も歴史の長いブランドということになります。
今回飲むイングリッシュブレックファストは、友人にもらったギフトセットに入っていました。『不思議の国のアリス』の原作と同じジョン・テニエルの絵を使った、おしゃれなパッケージです。
外側のカバーを取ると、小さい箱が3つ並んでおり、それぞれの箱にはティーバッグが10個入っています。「イングリッシュブレックファスト」は真ん中のアリス柄です。
ティーバッグを切り開いて茶葉を見てみると、「堂島ブレックファスト」に似た黒色をしていますが、サイズはかなり細かいですね。産地はケニア、インド、スリランカだそうです。
水色は「堂島ブレックファスト」に似た暗褐色で、香りが芋系なのも似ています。
味も「堂島ブレックファスト」にやや似ていますが、もう少し単調に感じられます。渋みもコクもほどほどで、イングリッシュブレックファストのお手本のようなブレンドという印象です。もちろん牛乳との相性もよく、ミルクティーにするとカフェオレのようなほろ苦い味になります。
ウェルシュ・ブリュー
最後のウェルシュ・ブリューは、その名のとおりウェールズのブランドです。今年(2022年)11月の一般発売に先駆け、日本橋三越の英国展で買ってきました。日本の総代理店であるルウラルのサイトによると、創業は1989年だそうで、ウィッタードとは対照的に今回の4種の中で最も新しいブランドということになります。
パッケージの左下に「40 TEA BAGS」とあるとおり、アルミの袋に丸い紐なしティーバッグが40個入っています。
ティーバッグの中の茶葉は明るい褐色で、サイズは非常に細かいです。ファニングスやダストの茶葉も混じっているかもしれません。茶葉の産地はジンバブエ、マラウイ、ケニア、インドとのこと。
茶葉が細かいせいか、水色も淀んだ濃褐色になりました。なぜか揚げ物のような塩っぱいにおいがします。
色の濃さに反して味はマイルドですが、僕は他の商品にはない不自然な酸味やエグみを感じました。しかもミルクを加えると酸味が増して、口当たりが悪くなります。残念ながら個人的にはあまり好みではありませんでした……。
というわけで、今回の飲み比べはムジカティーの「堂島ブレックファスト」がいちばんの好みでした。値段も100gで810円と経済的なので、今後は普段遣いのお茶に加えようかと思っていたのですが…………まさか後にこんなことになろうとは…………。