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日本初vs世界初! ミルク入りティーバッグ飲み比べ

寒い季節は温かいミルクティーがいつも以上に飲みたくなりますね。でも「ミルクティー用にどんな茶葉を選べばよいのかわからない……」「粉末タイプのインスタント商品は便利だけど、味や匂いが不自然だし……」などと感じている方は少なくないと思います。

「本格的なミルクティーを手軽に楽しみたい!」と思っているそこのあなた、ティーバッグひとつで本格的なミルクティーが作れたら、便利だと思いませんか? 実はそんな画期的な商品が、この数か月でなんと2つも発売されました。

そこで今回は、昨年(2021年)新しく発売されたミルク入りティーバッグをレビューしていきます。

 

 

商品の紹介

まずは今回レビューする商品をご紹介しましょう。

ミルク入りティーバッグ

左の2つは日東紅茶の「ミルクとけだすティーバッグ」。右の3つは台湾からやって来た「三點一刻(さんてんいっこく)」という商品です。

それぞれの商品の特徴をもう少し詳しく見ていきましょう。

日東紅茶 ミルクとけだすティーバッグ

日東紅茶ミルクとけだすティーバッグ

「ミルクとけだすティーバッグ」は、三井農林の紅茶ブランドである日東紅茶から、昨年8月30日に発売された商品です。食品産業新聞社の記事によると、「日本初の量産型ミルク入りティーバッグという新機軸の商品」として昨年の4月にテスト販売が行われ、売れ行きが好調だったため、8月末から本格展開がスタートしたそうです。

味はオリジナルブレンドアールグレイの2種類があります。茶葉の産地については、オリジナルブレンドスリランカ産とインド産がメインなのに対し、アールグレイケニア産のみを使用しています。茶葉の産地を聞いただけでも、「オリジナルブレンドはすっきりめで、アールグレイはコクのある味なのかな?」と想像がつきます。

三點一刻(さんてんいっこく)

三點一刻(三点一刻)

一方の「三點一刻」は、先月の12月17日に日本での販売が始まったばかりですが、公式のTwitterアカウントによると、世界初のミルク入りティーバッグなのだそうです。

正式な発売年まではわかりませんでしたが、本国版の公式サイトには繁体字中国語だけでなく、英語やコリア語(韓国朝鮮語)、ベトナム語のページもあるので、かなり前から国際的に展開していることが伺えます。

なお、今回レビューするのは、

の3種ですが、12月に日本で販売が始まった商品には、他にも、

の4種類があります。

 

違いをいろいろ比べてみる

実際に飲む前に、商品の特徴をさらに比べてみましょう。

まずティーバッグの内容量を見てみると、「ミルクとけだすティーバッグ」はオリジナルブレンドティーバッグ1個につき8g、アールグレイが7.5gなのに対し、「三點一刻」はなんと20gもあります。この差は主に砂糖の有無によるものと思われます。パッケージ下部に大きく書いてあるとおり、「ミルクとけだすティーバッグ」は砂糖不使用ですが、「三點一刻」には砂糖が配合されています。ティーバッグを開いてみると、「三點一刻」にはキラキラした砂糖の粒が含まれているのがわかります。

ミルク入りティーバッグ_中身の比較

また、パッケージに書かれている淹れ方も大きく異なります。「ミルクとけだすティーバッグ」は、

温めたカップまたはポットに、ティーバッグ1袋を入れ、沸騰した熱湯150mlを注ぎ、フタをして90秒蒸らします。

とあります。これに対し「三點一刻」は、

1. 温めたカップに沸騰したての熱湯を注ぎ、ティーバッグを入れる。

2. 3~5分放置して、軽くかき混ぜる。
 (スプーンの裏側でティーバッグを押す

3. お好みに応じて、待ち時間を調整してください。

という手順です。抽出時間にも倍以上の差がありますが、最も大きな違いは、「三點一刻」を淹れる際に「スプーンの裏側でティーバッグを押す」ことでしょう。実際に淹れてみるとわかるのですが、「三點一刻」は5分抽出しても水色(すいしょく)がやや薄く、スプーンの背でティーバッグをぎゅっと押すことで、ようやく紅茶らしい色になります。「三點一刻」を淹れる際は、ティーバッグをスプーンで押すのを忘れないようにしましょう。

 

いよいよ飲み比べ

では実際に試飲してみましょう。なお、抽出方法は統一せず、それぞれのおすすめの淹れ方に従うことにします。

ミルクとけだすティーバッグ

日東紅茶ミルクとけだすティーバッグ

オリジナルブレンドスリランカのハイグロウンのような爽やかな香り、アールグレイケニアらしい強いコクとベルガモットのフレーバーがあります。たった90秒の抽出で紅茶の風味がきちんと出ているのは、日東紅茶の面目躍如といったところです。ただ、僕にはクリーミングパウダーの味がややしつこいように感じられました。アールグレイは紅茶のコクとアールグレイの香りで脂っぽさが薄れていましたが、オリジナルブレンドは人によっては飲みにくく感じられるかもしれません。これ、ベースの茶葉を逆にしたほうがよいんじゃないのかなぁ……。

こってりしたミルクティーが好きな人には、「三點一刻」よりもこちらのほうがおすすめです。また、無糖なので自分で甘さの調整がしやすいのは便利ですね。

三點一刻

三點一刻_飲み比べ

左の「オリジナルミルクティー」は、アーモンドミルクに砂糖を加えて温めたような味がします。ベースの茶葉にウバを使っているそうですが、ウバの特徴的な香りや風味はあまり感じられません。

真ん中の「日月潭ミルクティー」は、青みのあるお茶の風味が感じられます。ある意味こちらのほうがウバの風味に近いかもしれません。

そして、右の「アールグレイミルクティー」は、ベルガモットの風味がきちんとあるものの、日東紅茶の商品と比べると香りがやや控えめです。アールグレイが苦手な人でも飲みやすい一方、アールグレイが好きな人には物足りないのではないかと思います。

3つとも乳脂肪分の味がしつこくないので、飲み口はさっぱりしていますが、甘さはかなり強めです。お菓子と一緒に飲むには向いていない気がします。中国語で「3時15分」という意味の名前のとおり、3時のおやつ代わりに飲むのが正解かもしれません。

 

というわけで、日本と台湾のミルク入りティーバッグを飲み比べてみました。手軽に本格的なミルクティーが飲めるのはどちらも同じとはいえ、特徴には大きな違いがあるので、場面や好みに応じて選ぶのがよさそうです。ミルクティーが好きな方は一度試してみてはいかがでしょうか?

*1:他はすべてミルクティーの商品ですが、このアーモンドミルクだけは紅茶が使われていません。