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ペットボトル紅茶を飲み比べてみた(15)2022年秋の新商品編

どうせペットボトルの紅茶飲料に本物の紅茶の味を再現することはできないんだから、もうレビューしなくてもよいんじゃないかな……と思いつつ、新商品を見つけて飲んでいるうちに感想が溜まりました。せっかくなので今秋の新商品4種のレビューをしたいと思います。季節柄、今回はフルーツティーが多くなりました。

ペットボトル紅茶_2022年秋

 

キリン 午後の紅茶 芳潤白桃ティーソーダ

午後の紅茶 芳潤白桃ティーソーダ

トップバッターは「午後の紅茶」から発売されたティーソーダの新商品です。キリンのプレスリリースによると、「華やかな香り高い紅茶に国産白桃果汁をひと搾りしたぜいたくな気分を楽しめるティーソーダ」とのこと。なお、白桃果汁の比率は0.5%です。果汁の少なさに驚きますが、キリンは果汁ゼロの商品に「おいしい無糖レモン」という商品名を付けた「前科」があるので、ほんのわずかでも果汁が入っているだけマシかもしれません。

さて、肝心の感想ですが、一言で言えば「ただの桃味の炭酸飲料」です(笑)。タンニンの渋みがなくはないものの、基本的には桃の香りと甘みが前面に出ています。桃の甘みが強いわりに、カロリーが100mlあたり3.2kcalと控えめになっているのは、人工甘味料を使っているからでしょう。そのおかげで甘ったるくは感じない一方、甘みが不自然に感じられる可能性もあります。

 

サントリー クラフトボス フルーツティー

クラフトボス フルーツティー

次は「クラフトボス」のフルーツティーです。昨年(2021年)の秋もレビューしたのですが、実は使われているフルーツの種類が変わっています。具体的には、

  昨年(2021年):りんご、桃、赤ぶどう、白ぶどう、洋梨
  今年(2022年):りんご、桃、ぶどう、西洋なし、オレンジ

となっています。オレンジが加わったのが大きな変化と言えるでしょう。実際、口に含むと最初にオレンジの酸味が広がり、後から他の果汁の味が追いかけてきます。一方、香りについてはぶどうの主張が強めです。また、「クラフトボス」の従来品と同じように、香料の嫌な後味が残りますが、なんにせよ紅茶の印象はほぼゼロなのです。なお、カロリーは100mlあたり28kcalで、昨年と変わりません。

 

コカ・コーラ 紅茶花伝 クラフティー 白ぶどうフルーツティー

紅茶花伝 白ぶどうフルーツティー

続いては「紅茶花伝」のクラフティーから発売された新商品です。コカ・コーラのプレスリリースによると、「手摘みセイロン茶葉をじっくり抽出したこだわりの紅茶に長野県産シャインマスカットエキスと、白ぶどうを主役に6種の果実の味わいをブレンド」した商品だそうですが、原材料表示によると、ぶどう果汁の量は5種類中4番目です(苦笑)。それでも蓋を開けると、ぶどうの香りが真っ先に鼻に飛び込んできます香料のおかげかもしれませんが

ただ、味についてはレモンの主張が強めなうえ、ぶどうを含む他の果汁の味とレモンが調和せず、互いにぶつかり合っている印象があります。フルーツのフレーバーの仕上げ方については、サントリーの方が上手かもしれません。なお、言うまでもないかもしれませんが、茶の味についてはかすかな収斂味以外ほとんど感じられません。カロリーは「クラフトボス」と同じく100mlあたり28kcalです。

 

伊藤園 TULLY’S &TEA 紅茶がおいしいミルクティー

伊藤園 紅茶がおいしいミルクティー

最後は伊藤園が8月に発売した「紅茶がおいしいミルクティー」です。伊藤園は「TEAs' TEA」というブランドでも商品を出していますが、こちらはタリーズブランドから発売されています。公式のプレスリリースによると、「優雅で爽やかな香りが特長のミルクティーに好適な世界3大紅茶のひとつであるスリランカ産のウバのB.O.P.を30%以上使用」しており、「香料を使用せずに紅茶本来の香りが楽しめる」のが売りだそうです。

実際に口に含んでみると、確かに香料のツンと来る感じがありません。ウバの爽やかな香りは強くありませんが、紅茶のコクはしっかりしています。ただ、これまでレビューしてきたミルクティーの商品と比べて、かなり甘みが強いというか、クリーミーすぎる気がします。ロイヤルミルクティーが好きな人なら美味しく飲めるかもしれません。

なお、カロリーは100mlあたり36kcalと、今回の4つの中ではいちばん多くなっていますが、「クラフトボス」や「紅茶花伝」のフルーツティーと大差ないんですね。一体どんだけ砂糖を使っているんだ……

 

それにしても、これまでいろいろな紅茶飲料を飲んできましたが、飲めば飲むほど「本当の紅茶の風味をペットボトル飲料として再現するのは難しいんだなぁ」と痛感します。メーカー各社には、もっと紅茶の香りや渋みを前面に押し出した商品を出してほしいところです。でも、それだと一般の人たちには受けないのかなぁ……。